三谷産業とクアンド、建設業向けコミュニケーションツール「SynQ」の実証実験

旧態依然の業務慣習や非効率なコミュニケーションが多く残っている建設業界

2020年2月12日、三谷産業株式会社(以下、三谷産業)は、株式会社クアンド(以下、クアンド)と共同で、次世代型コミュニケーションツール「SynQ(シンク)」(以下、同ツール)の実証実験を行ったと発表した。
建設業界では、デジタル技術を活用した取り組みが進展しているものの、未だ、旧態依然とした業務慣習や非効率なコミュニケーションが多く残っている。
このため、施工現場で働く人の業務負荷の高い状況が続いているうえに、技術者・現場管理者の高齢化や労働者人口の減少に伴う深刻な人材不足が大きな課題となっている。
このようななか、空調・給排水衛生設備の設計・施工管理業務を展開する三谷産業は、業務効率化と負荷低減に向けたIT活用に積極的に取り組んできた。
さらに、クアンドの開発する同ツールが、施工管理業務の中でのコミュニケーションを大幅に効率化できる可能性があると判断し、実際の施工現場において、2019年12月より試験的に導入を開始した。

コミュニケーションツール「SynQ」の主な機能

ARビデオチャット機能は、スマートフォンなどによってリアルタイムで映像を共有しながら、AR(拡張現実)を活用することで、映像の上にポインタを表示させて指示できる。このため、現場管理者は現場に赴くことなしに、移動時間を削減できるうえに、体力的な問題から現場に赴くことはできない高齢ベテランが確認・指示できるようになる。
また、会話を自動的にテキストで残すグループチャット機能を利用することで、施工現場において、設計図からの要件変更の確認・共有や、納まりの不具合が発生した際に、現場作業員のみならず施設のオーナーやユーザーを含む複数のステークホルダーとコミュニケーションをとることが可能となる。
なお、従来の遠隔支援ツールは、スマートグラスなどの高額な機器を必要としたため、中小・中堅企業にとって導入することに難点があった。これに対して、同ツールは、スマートフォンアプリや、パソコンからのWebブラウザ対応したシステムであるため、低コストで始めることができる。
(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

三谷産業株式会社 プレスリリース
https://www.mitani.co.jp/news/pdf/20200212.pdf