イエプコ処理での最適条件を見つける
2019年8月20日(火)に、自動車部品の金型メーカーであるエムエス製作所(愛知県)はシリコン、ゴムそしてプラスチックの金型が「くっつきにくい」、「はがしやすい」などの型離れの良さを追求した表面処理技術を発表した。
型離れが良いこと、これを「離型性が良い」というが、エムエス製作所では、表面処理の最適解といえる条件を、岐阜大学とともに共同研究してきた。
結果として、成形したゴム、プラスチック製品が金型に付着するのを防ぐ「エムエス・プロセッシング」と呼ばれる新技術の開発にたどり着くことに成功している。
「エムエス・プロセッシング」は、クリーニングとピーニングと呼ばれる2段階の処理を使用する。この2つの処理を一般的には「イエプコ処理」と呼ぶ。
クリーニングは、バリ等の不純物の除去を行うことで変質物のない表面の処理。
ピーニングは滑り性や圧縮応力の付加を行い、表面組織を緻密化(ちみつか)させる。
この2つの処理のをマッピングから、エムエス製作所と岐阜大学は最適条件を見つけ出した。
エムエス・プロセッシングは金型だけでなく、物作りの将来を変える
「表面処理」技術は、現代においても、性能理論が確定していない技術。
それゆえ、この新技術は過小評価になりがちになる。しかし、素材の性能を極限までに高める重要な工程だ。
モノにあふれた現代では、加工工程がなければ、私たちの周りのモノの存在はないといってもよい。
特に大量生産に必要な金型は、私たち人の生活、仕事等あらゆる日常の「便利」をつくっている。
この新技術「エムエス・プロセッシング」が様々なモノづくりに新たな可能性をもたらす日は近い。
(画像はプレスリリースより)