オルトメディコ、認知症患者に対する口腔ケアの効果を検証

医療機関との共同研究の成果を学術誌に掲載

株式会社オルトメディコは、医療法人社団新聖会との共同研究において、老人福祉施設に入居している認知症患者に対する定期的な口腔ケアの実施が、口腔環境および全身の健康状態維持に有効であることを8年間の継続研究により明らかにした。本研究は、2019年8月30日付けの日本早期認知症学会誌に掲載された。
近年、日本では高齢者人口の増加とともに認知症患者数も増加しており、厚生労働省の推計では2025年には65歳以上の5人に1人が認知症に罹患すると見込まれている。また、口腔衛生や口腔機能は全身の健康状態との関連が示唆されており、認知症の進行度と口腔機能の間にも関連があると報告されている。株式会社オルトメディコと医療法人社団新聖会は、口腔ケアの抗フレイル効果に着目し、認知症患者を対象に口腔機能や全身の健康状態に及ぼす影響の検証を2008年より継続している。

口腔環境および全身の健康状態維持に有効

東京都・神奈川県・埼玉県内の老人福祉施設に入居する60歳以上の認知症患者760名を対象に、歯科衛生士による歯磨き、舌の清掃、口腔内マッサージを週に1回実施した (データ収集期間: 2008年1月~2016年10月)。その結果、定期的な口腔ケアを受けている認知症患者の現在歯数は、厚生労働省の歯科疾患実態調査における同年代の現在歯数と比較して維持されることが確認された。また、介入期間中の要介護度の有意な変動は認められなかった。さらに、むせや口臭が減少し、表情が豊富になることが明らかとなったほか、嚥下機能、舌や唇の運動機能も口腔ケアにより低下が抑制されることが確認された。
本研究の結果より、定期的な口腔ケアの実施は、認知症患者における口腔環境および全身の健康状態維持に寄与することが示唆された。したがって、口腔環境を維持することは認知症患者の生活の質 (QOL) の維持に対して重要であると推測される。

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株式会社オルトメディコ
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▼掲載元リンク

https://www.orthomedico.jp/pdf/20191025.pdf/