川崎重工、浮体式LNG発電プラント(CCPPモデル)の基本承認を取得

設置場所に係留されたまま浮体上で発電し、陸上の送電網に電力を供給

2019年10月16日、川崎重工は、同社製ガスタービンコンバインドサイクル発電設備を搭載した浮体式LNG(液化天然ガス)発電プラント「CCPPモデル」(以下、同プラント)が、世界的な船級機関であるDNV GL(以下、同機関)から、最新の2018年版「Gas Power Plant」規則に基づいた設計基本承認(AiP: Approval ㏌ Principle、以下、同承認)を取得したと発表した。
浮体式LNG発電プラントとは、LNG燃料タンク・LNG気化装置・発電設備・受変電設備の全てを浮体に搭載した発電システムで、海上や河川を曳航されて移動し、設置場所に係留されたまま陸上の送電網に電力を供給する。
燃料となるLNGは、発電コストが重油より低いうえに、温暖化ガスの排出が石炭や重油より少なく、環境にやさしい燃料として期待されている。
このため、安定電源確保に課題を抱える東南アジア諸国の島嶼地域や陸上の発電所建設用地が不足する地域での需要が見込まれているとのこと。
なお、同機関は、ノルウェーに本社を置く船級協会で、あらゆる船型や海洋構造物の安全・品質・エネルギー効率・環境性能の向上にグローバルに取り組むとともに、オイル&ガス分野の技術コンサルティングサービスも提供している。
また、同承認は、新製品・新技術の概念設計のリスクアセスメントおよび船級規則への適合性を検証して、第三者としての船級協会にから確認を得ることだ。

CCPPモデルの特長

同プラントには、同社が開発したガスタービンを搭載しており、世界最高水準の発電効率で、窒素酸化物(NOX)の排出量は15ppm以下と環境への負荷が低いうえに、オーバーホール間隔が長くライフサイクルコストの低いシステムだ。
また、同プラントは、防熱性能の高いアルミ製タンクを搭載し、ガスタービンや排熱回収ボイラなどの配置を工夫することで、設置面積を削減して船体の小型化を図るとともに、主要機器を冗長化して、広範囲な負荷帯に対応している。
(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

川崎重工 プレスリリース
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/201910106_1.html