地熱発電所におけるトラブル予兆診断技術の実証試験をインドネシアで開始

運転停止を招くトラブルを事前に予兆・検知し、発電所の停止期間を短縮

2019年10月23日、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)と東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝エネルギーシステムズ)は、地熱発電所の利用率向上に向けた、IoT・人工知能(AI)技術を適用した地熱発電所のトラブル予兆診断技術(以下、同技術)の実証実験を、インドネシアで開始したと発表した。
地熱発電は、安定した出力が得られることから、日本では新たな大型地熱発電所の立地計画が進んでいる。
一方で、既設の地熱発電所は、発電設備の老朽化によるトラブルやタービンに付着した地熱蒸気成分の除去作業により停止するなどのため、暦日利用率が60%程度と低い状況で、利用率を向上して発電コストを低減することが喫緊の課題となっている。
このようななか、NEDOの地熱エネルギーの高度利用化に向けた技術開発事業において、東芝エネルギーシステムズが開発したビッグデータ解析技術を活用する同技術の実証試験を、インドネシアの国営地熱発電会社PT Geo Dipa Energi(以下、GDE社)のPatuha地熱発電所(以下、同地熱発電所)において実施する。

予兆診断技術と実証試験の概要

同実証試験では、同地熱発電所の発電設備に東芝エネルギーシステムズが開発したトラブル予兆診断システムを設置して、発電所の運転データをリアルタイムで解析する。
さらに、ICT(Information and Communication Technology)を活用して、解析結果をGDE社の本社と東芝エネルギーシステムズの各拠点で共有化し、トラブル回避のための対応検討などに利用して、同技術によるトラブル予兆の検知を評価するとともに、同技術の導入による効果を検証する。
なお、実証試験の期間は、2019年10月から2021年2月までを予定している。
(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

東芝 プレスリリース
https://www.toshiba-energy.com/info/info2019_1023.htm