東レ、優れた柔軟性と高い復元性を両立した伸縮性フィルムを開発

繰り返し変形した際の復元性、衝撃吸収性などを必要とするデバイス向け

2019年10月15日、東レ株式会社(以下、東レ)は、容易に変形できる優れた柔軟性と変形させても元通りに戻る高い復元性を両立した伸縮性フィルム(以下、同フィルム)を開発したと発表した。
身体や衣類に着けて生体情報などを収集するウェアラブルデバイスや、折り畳み・巻き取り可能なディスプレイなどが実用化されるに伴い、繰り返し容易に変形できる柔軟性と元通りに戻る高い復元性を兼ね備えたフィルムが求められている。
しかしながら、柔軟性と復元性は、本来相反する特性であるため、これらの機能を両立させることは、困難であった。
このようななか、同社は、独自のポリマー設計と製膜技術を用いて、非常に柔軟で、変形させても元通りに復元する同フィルムを開発した。現在、量産技術の確立を進めており、2020年には本格展開を行うとしている。

伸縮性フィルムの特徴

同フィルムは、20度~80度の広い温度範囲で、わずかな力で変形する柔軟性があるうえに、繰り返し元の長さの2倍まで伸ばしても力と変形の関係が維持され、長時間変形させておいた後でも、力を取り除くと元の形に戻る高い復元性がある。
また、150度で乾燥や熱処理できる耐熱性があり、高平滑な表面からマット(ツヤ消し)や凹凸形状まで、用途や加工工程に合わせて、さまざまな表面形状に加工できる。さらに、スクリーン印刷やインクジェット印刷も可能である。
(画像は東レ公式ホームページより)

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東レ プレスリリース
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