着床式と浮体式の2種類の技術
2019年11月13日、株式会社大林組が、洋上風力発電における建設技術を確立したと発表した。
洋上風力発電では、比較的水深が浅い場合に用いられる着床式と、水深が深い場合に用いられる浮体式がありそれぞれにおける建設技術となる。
なお、この技術は、一般財団法人日本海事協会(Class NK)からの設計基本承認を取得している。
それぞれの工法の違いが明確に
着床式では、「スカートサクション」と呼ばれる円筒形のスカート(鉛直壁)で構成され、排水により静水圧以下になる原理(サクション)を利用して海底地盤に入れる。
なお、こちらの方式では、実際の洋上で設置から撤去までを実施し、国内初の事例となった。
浮体式では、空洞化したコンクリートの浮力を利用し、海底地盤に固定することで構成される「テンションレグプラットフォーム」技術を用いる。
それぞれにメリットが存在する
一般的に洋上に風力発電を設置するメリットは多く、風が強いこと、発電効率が良いこと、低周波騒音による被害が低減されるなどのメリットがある。
加えて、この2つの工法には特有のメリットが存在する。
着床式では、基礎を海底に固定するため風車の動揺が抑えられることで発電効率が上がる。
浮体式では、従来の錐型に鎖で固定するカテナリー形式と比較し、海域の占有面積が小さくなる。
将来は、これらの工法を用いて、再生可能エネルギーが安定供給されると期待される。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
大林組
https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20191113_1.html