凸版印刷、自治体向け音声翻訳アプリの実証成果を公開

行政窓口を訪れた外国人の半数近くが、住民登録・税・国民健康保険などの手続きで苦労

2019年11月27日、凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は、「実証実験用アプリ(最終年度版)」(以下、同アプリ)を活用した実証事業が、福岡市実証実験フルサポート事業「AI多言語音声翻訳システム」(以下、同システム)のひとつに採択され、実証実験(以下、同実証実験)を、同市内の区役所窓口において実施すると発表した。
全国的に在留外国人が増加するとともに、国籍や言語は多様化しており、住民登録・税・国民健康保険などの手続きで、行政窓口を訪れた外国人の半数近くが苦労しているとのこと。このため、行政側も外国語が堪能な職員による対応や、ボランティアによる通訳サポートを行っているものの、対応が追いついていない状況だ。
このようななか、凸版印刷は、株式会社フィートと共同で、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)の委託研究「自治体向け音声翻訳システムに関する研究開発(2015年度から2019年度の5年間)」(以下、同委託研究)を受託した。
同委託研究は、自治体窓口業務に対応した国内で初めての音声翻訳システムで、研究開発を進め、今までの研究成果を反映したのが同アプリである。
凸版印刷は、同アプリをNICTのニューラル機械翻訳(NMT)エンジンを活用して開発し、2018年6月より訪日外国人や外国人就労者とのコミュケーションをサポートする商用の多言語音声翻訳アプリ「VoiceBiz(ボイスビズ)」として提供している。

実証実験の概要

同システムは、外国人の主な来庁目的である国民健康保険・年金や住民登録、子育て、税金などの窓口で使用する専門用語や、文章・会話などを蓄積したデータベースである数十万のコーパスを搭載しており、高い翻訳精度を実現しているとのこと。
また、これまで自治体専門用語に対応した英語・中国語・ベトナム語の3言語に、韓国語・ブラジル/ポルトガル語・インドネシア語・タイ語・ミャンマー語を加えた8言語に対応している。
同実証実験は、同市内の各区役所等において、2019年11月27日~2020年1月31日の期間実施する予定だ。
(画像はニュースリリースより)

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凸版印刷株式会社 ニュースリリース
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