川崎重工、商用化に向けた新型水素液化機による実証試験を播磨工場で開始

使用時に温室効果ガスが発生しないクリーンなエネルギー

2019年12月05日、川崎重工業株式会社(以下、川崎重工)は、商用化に向けた新型水素液化機(以下、同装置)による実証試験を播磨工場で開始したと発表した。
パリ協定において、日本は、中期目標として、2030年度の温室効果ガスの排出を2013年度の水準から26%削減することが定められた。この目標を達成するための対策の一つとして水素エネルギーが注目され、2017年に開催された「第2回再生可能エネルギー・水素等閣僚会議」において、世界に先駆けて水素社会を実現するための「水素基本戦略」が決定された。
水素は、使用時に温室効果ガスを発生しないクリーンなエネルギーとして、発電用や燃料電池車用などの燃料として期待されている。
このようななか、川崎重工は、マイナス253度で液化することで体積が800分の1になる水素の性質に着目し、同社が培った天然ガスを液化する技術を応用して水素液化技術の研究開発に取り組み、2014年には純国産独自技術による水素液化システムを開発した。

新型水素液化機による実証試験の概要

同装置は、川崎重工が2014年に開発した水素液化システムと同様に、圧縮した原料の水素ガスを冷凍サイクルで冷やされた水素と液化機内で熱交換しながら冷却し、1日あたり約5トンの液化水素を生産する能力を有する。
また、液化工程を改良するとともに、効率化に寄与する設計見直しを行うことで、液化効率が約20%向上したうえに、本体重量を30%軽量化することで、コストダウンが図られた。
実証試験では、2020年5月まで連続運転を実施し、商用化とさらなる大型化に向けて、性能の信頼性、設備の耐久性などを確認しつつ、液化工程における様々なデータを取得する。
(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

川崎重工業株式会社 プレスリリース
https://www.khi.co.jp/pressrelease/detail/20191205_1.html