教育現場における教室内環境を可視化
2020年1月16日、旭化成株式会社(以下、旭化成)は、国立大学法人滋賀大学(以下、滋賀大学)と共同で、教育現場におけるCO2濃度と温熱環境を見える化することで、より良い教育環境の構築に向けた実証実験(以下、同実証実験)を開始したと発表した。
旭化成は、事業化プロジェクトの早期事業化などの1つとして、旭化成内外の施設における環境の可視化と、そのデータを活用した新たな社会価値を具体化することで、事業化の加速を目指している。
一方、滋賀大学・教育学部の大平雅子准教授は、人間の快・不快を評価するバイオマーカーを用いて、環境の変化が人体へ与える影響を明らかにする研究を進めており、環境制御によって、人体の心身の状態をより良い方向に導くシステムの構築を目指している。
このようななか、両者は、共同で同実証実験を実施することとなった。
実証実験の概要
同実証実験では、教室内のCO2濃度と温熱環境の分布をモニタリングすることで、教育現場における教室内環境を可視化し、得られたデータを活用することで、快適な環境で授業を受けられるより良い教育環境の構築に向けて取り組む。
また、同実証実験を実施するにあたっては、滋賀大学教育学部附属中学校の一部の教室において、旭化成の連続環境モニタリングシステム(以下、同システム)を設置して、2020年1月よりモニタリングを開始した。
なお、同システムは、温度・湿度・CO2濃度・気圧・風量・加速度・音などをセンサによって測定し、環境データとしてクラウドに上げて表示するシステムで、PCやスマートフォンでリアルタイムに環境データを確認できる。
今後の展開
旭化成は、教室内環境を最適化するシステムの検討を進めるとともに、同システムの商用化を目指す。また、滋賀大学は、同実証実験の成果を、健康的で快適な学習環境を維持するための学校環境衛生活動に還元するとしている。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
旭化成株式会社 プレスリリース
https://www.asahi-kasei.co.jp/