フジタなど、中断面トンネル用「上下自在連続ベルトコンベア」を共同開発

山岳トンネル工事の施工延長が長距離化

2020年2月10日、株式会社フジタは、タグチ工業株式会社と共同で、中断面トンネル用「上下自在連続ベルトコンベア」(以下、同ベルトコンベア)を開発したと発表した。
近年の山岳トンネル工事では、トンネル施工延長が長距離化するに伴い、発破などによって生じる岩石の屑を搬出するズリ出し方式は、ダンプによる方式が減って、連続ベルトコンベアによる方式が一般的となっている。
しかしながら、坑内の作業スペースに限りがある中断面トンネルの場合、坑内に搬送ベルトを固定配置する従来の連続ベルトコンベアでは、作業スペースが狭くなるため、掘削・覆工作業の効率低下や、施工機械の駐機スペース確保などが課題となっていた。しかも、搬送ベルトを延伸する際には、1週間に1度のペースで、トンネル掘削作業を1日から2日程度中断する必要があった。
このような問題に対処するため、搬送ベルトの位置を作業区間に応じて高所あるいは低所に配置することで、効率的に作業できる同ベルトコンベアを開発した。

「上下自在連続ベルトコンベア」の概要

同ベルトコンベアの掘削作業区間においては、搬送ベルトの位置を高所へ持ち上げる「上越しテールピース台車」と、高所に搬送ベルトを設置する「ブラケットフレーム」より構成されており、坑内の作業スペースを有効に利用できる。
一方、覆工作業区間においては、搬送ベルトの位置を短いスパンで低所へ移設できる「カテナリーZ台車」で構成され、上下自在ベルコン稼働中でも覆工作業が制限なく行える。
また、フレーム材の組み立て作業を簡素化することで、搬送ベルトの延伸準備が短縮されて、掘削作業を早期に再開することが可能となった。
さらに、覆工区間において、テレスコセントルとスライディングステージを併用することで、坑内で転回や離合(すれ違い)を行う工事車両のスペースを確保し、車両同士の接触などの交通災害を防止し、作業全体の生産性向上が図られる。
(画像はニュースリリースより)

▼外部リンク

株式会社フジタ ニュースリリース
https://www.fujita.co.jp/information/2020/post_423.html