新技術レポート「FRP外観評価指標である光沢度の公差設定に向けた回帰分析」技術資料  ENG-REPORT-008を公開しました。

CADRISE

回帰分析で数値化

感覚論に基づく定性的な要求の多いFRP(Fiber Reinforced Plastics : 繊維強化プラスチック)の外観要件について、光沢度という定量指標が適用できることを過去の技術レポート 1)にて述べた。光沢度を図面に記載する数値ベースの定量要件に落とし込むには、どのような公差を設定すべきかについて明らかにする必要があるが、現段階ではわかっていない。当該公差を算出するため、実際に異なる外観条件で準備したFRP試験片の光沢度を計測し、回帰分析を行うこととした。

レポート概要

成形型の研磨条件や成形後のFRP表面処理条件の違いにより、外観状態の異なる4水準のFRP平板を準備した。公差設定検証に用いたのはFRP-GU-03、-05、-07、-08の4水準で末尾の数字が大きいものほど外観状態が良好になるよう設定している。計測や表面状態のばらつきを評価するため、それぞれの水準について5つのグループに分け、各グループにつき9か所の光沢度を測定し、回帰分析を行った。右下図に検出確率80%の結果概要を示す。横軸に各水準、縦軸に光沢度、青色が平均値、橙色が最小値、緑色が最大値である。また、検出確率98%で分析を行うと、ばらつきの大きいFRP-GU-03や-07は最小値が負の値になった。ばらつきが比較的押さえられ、下限値が定量要件として妥当と考えられる末番が-05、-08という2水準について、検出確率80%を基準水準として光沢度の公差設定を行うこととする。

▼J-GoodTech 企業ページ

株式会社FRPカジ

▼掲載元リンク

https://rd.frpkaji.co.jp/