JFEスチールの車体性能評価が採用される

スズキの新型車開発に採用

2020年1月22日、JFEスチールが開発した車体性能評価技術が、スズキ株式会社の車両開発に採用されたと発表した。
試験対象となる車での、振動や剛性、部品間の接合についての評価を総合的に判断することができるため、操縦性や乗り心地を向上させることが可能となった。
今回この評価技術は、新型ハスラーの開発に用いられており、性能向上が裏付けられた。

わずかな変形が操縦安定性に影響する

近年、車体のシャーシやボディーを接合する際に、抵抗スポット溶接やウェルドボンドと呼ばれる接着剤併用の抵抗スポット溶接が使われることが多くなっている。
新技術が採用され、より剛性が高まることに寄与するのだが、わずかな変形により操縦安定性に大きな影響を与えることになる場合もある。
この影響を最小限に抑えるために、新たな評価技術の開発が必要になっていたわけである。

接着剤は溶接よりも強力か?

従来、車のボディーは溶接やリベット止めなどにより貼り合わされることが一般的であったが、カーブなど力が加わりねじれが生じる場合には、接合が弱い部分に応力が集中してしまう。
最悪は、接合部分が壊れることもあり、振動が大きくなる原因にもなりえる。
このシビアな問題に対し、従来の線接合や点接合である溶接やリベット止めから、面接合であるエポキシ系接着剤に切り替えるケースが増えている。
アウディ、ベンツ、BMWなども採用を始めているが、トヨタも採用しているということから、その有用性は実証されていると言え、今後は主流になると考えられる。
(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

JFEスチール
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2020/01/200122.html