労働力不足やCO2排出量の増加等が大きな社会課題
2020年01月31日、京セラ株式会社(以下、京セラ)と横浜市は、宅配の再配達解消を目的として、京セラが開発した「IoT宅配システム」(以下、同宅配システム)による実証実験を、横浜市若葉台団地(神奈川県横浜市旭区若葉台)において、2月1日より開始すると発表した。
インターネットで通信販売を利用した物品購入が増加するに伴い、宅配便の取り扱い量が増加する一方で、少子高齢化による労働力不足は物流業界においても深刻になっている。
さらに、宅配便の約15%が再配達されており、再配達による業務効率の低下やドライバーの労働時間の増加、さらにCO2排出量の増加等が大きな社会課題となっている。
このようななか、京セラは、長年培ってきた通信技術を活用し、同宅配システムを開発した。
IoT宅配システムの特長
近年は、宅配ボックスを設置しているマンションや住宅などが増加しているものの、配達先が不在で宅配ボックスが空いていない場合は、配達ドライバーは再配達する必要がある。
このような問題に対処するため、京セラは、携帯電話やスマホで専用アプリケーションを使い、宅配ボックスの利用状況を「見える化」し、リアルタイムに確認できる同宅配システムを開発した。
同宅配システムを活用することで、配達業務の効率化が図られ、利用者も、宅配ボックスに自分宛の荷物が届いたことや予約されたことをリアルタイムに知ることができる。
実証実験の概要
同実証実験は、株式会社白山機工が開発した宅配ボックスを使い、佐川急便株式会社、日本郵便株式会社の国内宅配大手2社が参画し、同団地790戸を対象に行う大規模実証実験だ。実証実験場所の提供および地域との調整は、神奈川県住宅供給公社若葉台まちづくりセンターが行う。
なお、2020年2月1日~3月1日に実施するプレ実験では、宅配ボックスを導入した場合の再配達の実態を把握し、3月2日~5月13日に行う本実験では、宅配ボックスをIoT化したことで得られるドライバー側、利用者側の効果を検証する。
さらに、5月14日~6月15日の期間に、同宅配システムの導入による再配達の低減とドライバーの業務効率化を検証する。
(画像はニュースリリースより)
▼外部リンク
京セラ株式会社 ニュースリリース
https://www.kyocera.co.jp/news/2020/0107_kelf.html